野球秋季全道大会終わる〜見せた白樺野球〜同点・逆転・追加点 勝利目前に無情の逆転負け
センバツへとつながる高校野球の第68回秋季北海道大会が今日終わった。旭川スタルヒン球場で初開催の同大会は札幌支部代表の札幌第一が準々決勝で白樺学園を破った北海道栄(室蘭)を2―1の1点差で下し優勝した。ベスト4に残ったのはいずれも南北海道地区の代表校で北北海道から唯一ベスト8入りを果たしたの白樺学園だけだった。
10月8日、ここまで2勝していた白樺学園は準決勝を迎えていた。巨大な台風が北海道に近づき、天候は不安定。天候を見越して試合時間が1時間30分繰り上げられていた。それでも気温は10度を下回り、雨と共にときおり10M前後の強風が吹くという、夏の甲子園とは違った過酷なコンディションとなった。終わる頃にはグランドコンディションも悪化。直後予定されていた第二試合は順延になった。しかし対戦する二校にとっては条件は同じで寒さを吹き飛ばす熱戦となった。3点リードでむかえた9回表、2点差となりツーアウトから、相手打者の放った打球が三塁手の前で跳ね上がり、勝利の瞬間が一転し、逆転タイムリーに。無情にもこれが決勝点となり今季の白樺学園のセンバツ挑戦に”秋”止符がうたれた。(荘司)
8回には追加点、3点のリード、勝利を信じて9回を迎えていた。
最後まで勝利を信じプレーした選手達やスタンドから力強い応援をしていた野球部員、保護者・関係者に敬意を表し、見ることの出来なかった生徒達や選手達に応援の意味で試合を振り返る。
【1回表】無失点に抑える
先発はエースナンバーの橋本球道投手。地元芽室西中学校出身の主将はこの夏背番号5の三塁手で五番バッターだった。「夏の悔しい思いをしっている自分たちが、甲子園に」と橋本君。
先頭打者を中飛に打ち取る。次打者を四球で出すも、三番を三振、四番を中飛に打ち取り無失点と、寒い中上々の立ち上がりを見せた。
【1回裏】チャンスメイクに成功。スクイズが一転併殺に。無得点。
先頭打者が四球出塁。次打者も相手エラーで出塁。その後ワンアウト満塁で先制のチャンスをむかえた。スクイズの打球が惜しくも一飛となり、併殺で先制ならず、無得点。
四球一つ、バント一つも大切なプレーだと選手達はわかっているのは言うまでもないことで、一つ一つのプレーが大切だから、できないことができるようになるまで、選手は成功のためにいっぱい練習をしています。
【二回表】先頭打者に被安打出塁も牽制で刺し三者凡退。
【二回裏】死球出塁も併殺打に打ち取られ三者凡退
【三回表】内野ゴロ、キャッチャーフライ、三塁ファールフライで三者凡退の無失点に抑える。
【三回裏】チーム初ヒットが出るも左投手の牽制で二塁を踏めず。
【四回表】先頭打者に中越えホームラン。低い弾道が風にのってフェンスを僅かに越えて行った。スコアは0−1に。
中堅手がフェンス直撃の打球にそなえるも、風にのった打球はオーバーフェンスする。
【四回裏】先制直後同点に追いつく 牧がタイムリー内野安打
先頭の橋本がセンターに見事にはじき返しヒットで出塁。続く岡田も三塁へ痛烈な当たりを放ち内野安打。矢尾板が送りバントに成功し一死一三塁。牧のタイムリー内野安打で橋本が生還。すぐさま同点に追いついた。スコアは1−1.
雨・風が強まる
【五回表】内野ゴロ三つで無失点に抑える
【五回裏】先頭松浦が四球出塁も併殺でチャンス広げられず無得点。
【六回表】グラウンド整備後、エース橋本は安定したピッチングを続ける。内野ゴロ2つ、三振1つの三者凡退にきってとる。
「ナイスピッチング!」大きな声を出して、温かく迎える選手達。
【6回裏】先頭橋本が出塁も、相手投手の持ち味か、この試合三つ目の併殺でチャンスを広げられず無得点。
【7回表】先頭打者に三塁打を打たれピンチ。タイムリーヒットで逆転許すも、大量失点を防ぐ。スコアは1−2.
先頭打者が三塁打。次打者のタイムリーであっさり勝越されてしまう。さらにヒットと犠打で一死二三塁と失点の危機。次打者を四球で満塁。次打者の三振時、三塁ランナーが飛び出しキャッチャーが三塁へ送球、アウトにしてピンチを最少失点でしのいた。アウトをとるのをあせらない落ち着いたエース橋本のピッチングと守備だった。
【7回裏】ピンチの後にチャンスあり。逆転劇で4−2に。
ワンアウトから阿部が四球で出塁すると、3打席目をむかえた佐藤(慎)が左中間へ二塁打を放ちチャンスを大きく広げワンアウト二三塁。次打者三振でツーアウト。1番後藤が四球を選び二死満塁。ここで二番小笠原が四球を選び押し出しで同点、2−2。二死満塁でキャプテン橋本が捕らえた打球はセンター前ヒット。ベンチ、応援スタンドから歓喜の声。佐藤、後藤が還り、逆転に大成功、4ー2。
ストレートのフォアボールで押し出しで同点。思わずガッツポーズ。
【8回表】二死から二塁打被弾も無失点に抑える。エース橋本は8回を終え、被安打6,2四球2失点の好投
スコアリングポジションにランナーを置き、集まる選手達。逆転直後、無失点で抑える。スコアは4−2.
【8回裏】追加点を入れ5−2。勝利を信じた1イニング3点差。
先頭の矢尾板が四球出塁すると、牧が送りバントに成功し、一死二塁。ここで相手チームは投手交替。
交替直後の打者の阿部がレフとオーバーのタイムリーツーベース。矢尾板生還で、駄目押しに近い貴重な貴重な追加点が入り5−2とした。
ベンチ、スタンドが勝利を掴んだかのように歓喜につつまれた。
内野ゴロで三塁ランナーが本塁突入する
二死一二塁のチャンスの追加点はならず。最終回をむかえる。
【9回表】無情の逆転
相手投手も制球を乱すなどする中、安定したピッチングの橋本投手は、先頭打者をショートゴロに抑える。勝利まであと2人。
9回、この回の先頭打者に第一球を投じる橋本投手
ユニフォームも土で汚れ、マウンドの土も水がういてきているように見えるが、鍛えられた下半身からの安定したフォームでしっかりと向って行く投手の姿勢が見える。
次打者、打ち取ったと思われた三塁ゴロ。一塁手が完全捕球できず、エラーとなり出塁を許す。
一塁ランナーに代走がでる。
暴投で二進を許す。
次打者に四球を与え、一死一二塁。(3点差)
さらに、打ち取ったような打球が、内野手と外野手の間に落ち、一死満塁となる。
ワンアウト満塁。点差は3点。
相手チームに代打が出る。
厳しいところを攻める橋本の投球が、わずかにストライクゾーンからはずれる。
フォアボールで押し出しで1点献上。5−3となる。リードは2点で一死満塁。
バッターは1番にかえる。
放った打球は一塁線へ。これを一塁手がとめるも投げられず内野安打で1点かえされ5−4。
次打者をショートフライに打ち取り、二死満塁。あと一人抑えれば勝利。ヒットが出ると逆転される場面となる。
キャッチャーはマウンドへ行く。三塁手が、体をあたたまえるように大きなジャンプを繰り返すなど準備をしていた。
そして相手3番打者に投じた打球は三塁へのゴロ。捕球してアウトで試合終了のはずだった。
低く強めのゴロは無情にも、三塁手が捕ろうとする最終バウンドでするどく三塁手の頭上をおそう。
打球はレフト前へ点々と・・・。三塁ゴロが一瞬で逆転タイムリーヒットとなり、4−5。
なおもピンチだが、続く打者をショートゴロに打ち取り、1点差で9回裏を迎える。
【9回裏】
二番からはじまる好打順も二者がたおれ、バッターは4番の岡田。センター方向へ強い風が吹く。
岡田が放った打球はセンター前へ。二死一塁。代走に後藤田。
次打者矢尾板の放った打球はライトへ。風がまう。ライトがスライディングキャッチを試みると捕球を確認して、審判の手が上がった。
この試合の勝者は決勝までコマをすすめる。先制するも8回裏、逆転を許し僅か1点差で涙を呑んだ。
勝負には負けましたが、感動させられる試合だったと思います。
この寒さ、雨、風の中、熱戦を繰り広げ、最後は1点に泣いた二校が、あの暑い舞台であいまみえられたらと思うのでした。
もっともっと野球をしょう!そしてあの舞台で勝ちましょう!
生徒達、親御さん関係者の皆さんへの応援にかえて。感謝。(荘司)