夢舞台で輝く卒業生 小川拓朗 パシュート世界第5位、男子B5000m4位(日本人トップ) W杯スピードスケート帯広大会
11月21日22日23日の三日間、スピードスケートのワールドカップ(W杯)第1戦が4年ぶりの帯広開催で行われました。
大観衆、たくさんの横断幕、国旗と、いつもと違う明治北海道十勝オーバルは熱気で溢れていました。本校スケート部員も大会のスタッフとしてお手伝いとして参加したり、世界のトップスケーターを目の当たりにしたりと貴重な経験ができたよう。この3月卒業したばかりの小川拓朗君は二度目のワールドカップ。コースレコードを記録したパシュートのレース後に会うと、目を輝かせながら笑顔で「(パシュートにでるのは)初めてだったんです。(応援)ありがとうございます。」と話してくれた。大会後、一番うれしかったことは?ときくと、「5000mで日本人最高位、パシュートで5位になったこと。」という。本校スケート部の和田監督は「日本がパシュートに出られたこともすごいし、5位に入ったのはすごい。8番以内に入らないと出られない。」と語ってくれました。
1秒ずつ未来のメダリストへ近づく小川選手
小川拓朗選手は今年3月に1万Mで5シーズン振りの日本記録更新をするなど、将来世界でメダル争いをできるスケーターとして注目されている。次の目標についてきくと、「ワールドカップ後半戦全試合出場とディビジョンAに昇格すること」だという。
今大会5000mディビジョンAは16人だけが滑走。国籍をみるとオランダが5人、ロシアが5人、ドイツが2人、ノルウェー、ベルギー、カザフスタン、韓国がそれぞれ1人ずつ。(日本人はBに出場の小川拓朗が最高位)
世界で通用するのが難しいカテゴリーで日本人が活躍したといえば、単純な比較は出来ないがテニス界で大柄とはいえない日本人が世界のトップランカーになりつつある現状がある。かつては考えられなかったことだと思われる。
スケートの長距離で日本人が勝つのは難しいと思われてきた。小川選手は「1周何秒ずつ縮める」という考え方をして練習していると在学時同選手は教えてくれたのを思い出す。今回6分20秒90のトップ、スベン・グラマー選手(28歳でオリンピックで金メダルを3つ、銀メダルを2つ、銅メダルを2つ獲得しソチオリンピックでも圧倒的あ強さを誇った選手)とのタイム差は5000mで約20秒。1周400mに換算すると2秒とない。日本スケート連盟のサイトにも小川選手の今年の目標は6分25秒と明記されている。(このタイムは今大会ディビジョンAの4位にあたる。) どうせ無理と諦めることなく、一秒でも早くということでもなく、具体的に一周毎の数字をあげて目標をたてている小川選手は将来のメダリストとして現実味を感じざるを得ない。大きな目標に取り組む際に、ぜひ参考にしてほしい。勉強では例えば、今日一日勉強する英単語の数。野球では一日の素振りの数。(実際に目標をたてて一日千スイングをやっているという話しもきいたことがありますが)。食べるもの、飲むもの一つひとつ。発する言葉、とる行動、一つ一つ。「塵(ちり)も積もれば山となる」という諺が日本にあるようなことを思えば、長距離こそ日本人が偉大な記録を達成できるような気がするのです。がんばれ白樺生、卒業生。
生徒の皆さん、中間考査7日前です。一日一日こつこつと勉強しよう。勉強のみならず、一つひとつを大切にしよう。気がつけばきっと大きな成果が得られます。きっと。最後まで読んでいただきありがとうございます。(荘司)
好記録にわく観客の声援に笑顔で応える小川拓朗選手。